2025年1月6日
オスマン帝国に関連する重要な遺物が、トルコ南西部のダッチャ沖にあるキズラン・オスマン船の沈没船の発掘調査で発見され、その沈没当時の歴史的な時代に光を当てています。
文化観光省の声明によると、この発掘調査は、ブルー・ヘリテージ・プロジェクトの一環として、ドクズ・エイリュル大学の水中研究センター(SUDEMER)によって行われています。
今年の発掘では、船の正体やその沈没した時代に関する重要な発見が得られました。
発見されたものには、イェニチェリに属する14挺のマスケット銃、約2,500発の鉛弾、爆発した砲弾が含まれており、船が戦闘に関与していた可能性を示しています。
また、イスラム市場向けに中国で生産されたと考えられる青い絵付けの磁器の器のセットは、この船が特別な任務や外交的な使命を担っていた可能性を示唆しています。
磁器が梱包された状態で発見されたことから、それが贈り物であった可能性が高いと考えられます。
一方で、乗組員の個人の持ち物も興味深い発見であり、その中にはパイプやツゲの櫛、銅製の鍋、陶器の水差し、壺などが含まれていました。
さらに、チュニジアのジェルバ地域で生産されたとされる陶器が確認されており、この船が北アフリカから来た可能性が示唆されています。
キズラン沈没船は、イェニチェリ兵を乗せたオスマン帝国の船の残骸がトルコの海域で確認された初の事例であり、歴史的にも重要な意義を持つ発見です。
船の右舷側の破片が発見されており、船の建造技術に関する貴重な知見を提供しています。
すべての証拠は、この船が17世紀後半の戦闘後に沈没したことを示しています。
発掘作業は2025年までに完了する予定であり、これらの発見がオスマン帝国の海事史に新たな光を投じることが期待されています。