新たな研究により、地球の内核が過去20年間で形を変えたことが明らかになりました。科学者たちは、これまで球体だと考えられていた内核が、実際には高さ100メートル以上の変形した端を持つことを発見しました。
地球の核は地表から4,000マイル以上の深さにあり、これまで誰も到達したことがありません。
核は地球の中心にあり、磁場を生み出すことで太陽の放射線から生命を守る役割を果たしています。内核は液体の外核や地球全体とは独立して回転しており、この運動がなければ、地球は生命を維持できず、何十億年も前に磁場を失った火星のような不毛の惑星になってしまうでしょう。
この研究は、科学者ジョン・ヴィデール氏、ウェイ・ワン氏、ルオヤン・ワン氏、グアンニング・パン氏、キース・コーパー氏によって主導され、科学雑誌『Nature Geoscience』に発表されました。
当初、ヴィデール氏とそのチームは、内核が地球の自転よりも遅い速度に減速した後、2010年に再び加速した理由を解明することを目指していました。南カリフォルニア大学の地球科学者であるヴィデール氏は、その時期に内核が実際に減速したことを裏付けるさらなる証拠を発見しました。
研究によると、科学者たちは地球の内核が時間とともに回転速度や形を変化させることを突き止めました。繰り返し発生する地震の地震波を分析することで、内核は一時的に地球全体よりも速く回転していたものの、近年は減速していることが明らかになりました。
内核の形状の変化は、固体の内核の端が極めて高温の液体金属の外核に接する部分で発生している可能性があります。
研究チームは、北米とサウスサンドウィッチ諸島の地震観測所のデータを用いて、1991年から2023年までの地震活動を分析しました。その結果、2004年から2008年の間に地震波の挙動に変化が見られ、内核の奥深くではなく、表面付近で変化が起きている可能性が示されました。
この研究は、長年続いてきた議論の解明に貢献します。内核の変化は、回転だけでなく、その境界付近での変動によっても引き起こされることが明らかになりました。これらの変動は、周囲のマントルの動きや液体外核の力によって内核の形状が影響を受けている可能性を示しています。